ソフトウェア開発をUnlockする

 こんにちは。

この度PITHIAS TechnologiesBlogを始めました。CTOから最初のAuthorに指名されたので、人生初のBlogにトライします。

テーマを何にしようか悩んでいたのですが、たまたま面白い記事を読んだので生産性について考えてみたいと思います。

 

この記事では日本の社員の恐らく70%程度は給与をもらうことだけを目的として出世も積極的な仕事も望んでいないこと、その原因が新卒一括採用、年功序列、終身雇用などにあることが指摘されています。

注目したいのは1ページ目にある「日米の産業別生産性と付加価値シェア」という表です。「情報通信」という言葉が2つあるのでConfusingですが、上から4つ目(比較的生産性が高い)は機器製造なので、弊社が所属する情報通信業は下から3つ目と考えられ、アメリカに比較して13.9%しか生産性がないとされています。

 

記事の中で指摘されている原因(年功序列など)は、程度の大小こそあれ特に産業に固有ものではないので、我が国の情報通信業はほかの産業に比べて生産性が低い、何か特有の事情がありそうです。

 

結論を言ってしまうと、特有の事情は受託開発、多重請負、言語バリアだと思います。

 

順番に見ていきましょう。

・受託開発

生産性は、作ったソフトウェア(情報通信機器はHW、情報通信業はSWと整理します)がどれだけ価値を発揮するか、と言い換えられます。日本のソフトウェア投資の内訳はパッケージ11.7%、受託開発88.3%だそうです。当然ながら受託開発ソフトウェアは発注したお客様だけのもので、その活躍の場は限られてしまいます。

 

・多重請負

日本の商習慣で、信用度の低い中小企業に仕事を発注しない、という不思議なルールがあります(本来Account Payableに信用なんて不要です)。その結果、ご存じの通り多重請負が発生します。

どういう理屈かわかりませんが元請け・一次請けなどの会社は中抜きをしますので、末端のエンジニアが受け取る報酬は、発注者が支払う金額の半額以下になることがほとんどです。実際に働くエンジニアが発揮できるValueが報酬なりだとすると、そのValueは倍以上の価格で販売されていることになり、当然ながら販売価格に対する価値(生産性)は下がります。

 

・言語バリア

受託開発で言及した通り、日本のパッケージ開発は11.7%にすぎません。さらに、そのパッケージもほとんど日本市場のみを対象にしたものです。一方、海外のソフトウェアは大量に日本企業で使われています。

つまり、言語バリアが一方通行にのみ機能しているのです。

 

ソフトウェアエンジニアは、ソフトウェアを開発する楽しさを知っています。ところが、下請け受託開発では楽しい開発ができず、仕方なくプライベートで開発に取り組む人が少なからずいます。

この生産性の低さを解消する一つの方法は、自社製品としての価値あるソフトウェアを国内だけでなく海外にも販売することではないでしょうか。

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