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スタートアップの特権

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 こんにちは。影浦です。 2024年12月10日から4日間、ジェトロ千葉、千葉市、千葉大学が主催し、 DMZ がリードしたセミナー「 千葉から世界へ― スタートアップ・グローバル展開プログラム2024 」に参加してきました。 この内容が素晴らしかった(サラリーマン時代を含めて今まで受けた研修の中でぶっちぎりでよかった)ので、本Blogで簡単にシェアします。 プログラムは以下のような内容で、特に素晴らしかったのはオンラインワークショップのPichingとBootcampでした。 オンラインワークショップ(各1時間) OKR Pitching Investment & Funding in North America オンラインメンタリング OKRとPichingについて各30分 Bootcamp Bootcampのタイムテーブルでお気づきと思いますが、オンラインワークショップ含めてすべて英語です。気分は海外MBAでした(笑) 最終日のDemo Dayで5分のPitchを(もちろん英語で!)しましたが、このセミナー前後のPitch Deckを比較すると、もう雲泥の差です!! そして何よりもすごいのはこれが無料だということです。 弊社がスタートアップらしいことを始めたのは去年からなので過去のことはあまりわかりませんが、このような無料セミナーに参加して初めて、日本のスタートアップを取り巻く環境が良くなっていることを実感しました。 もちろん、欲を言えばエストニアのように再投資するなら税金無料!みたいな制度が日本でもあるといいなと思ったりしますが、そのあたりは今後の政治家の皆さんに期待します。 ということで、今後このBlogでHPに掲載しきれていないPITHIAS Technologiesは何者なのか?を少しずつシェアしたいと思います。 こちらにDemo Dayの Pitch を公開しましたので、良かったらご覧になってください。 (一応お断りしておくと、北米のパートナー候補向けのPitchという体で資料作っています。講師のDr. Martinと相談して決めましたが、こんな前提作ってたのうちだけでした・・) ジェトロ千葉さん、千葉市さん、千葉大学さん、そしてDMZさん、本当にありがとうございました!

訣別のITゼネコン

こんにちは。 このブログを読んでいる方の多くはIT業界に身を置いている方であり、一度は「ITゼネコン」というワードを耳にしたことがあると思われます。 私はかれこれ約20年もの間、ITゼネコンという言葉に象徴される多重下請構造の中に身を置いてきた人間であり、末端の下請け企業にも先端のSIerにも在籍した経験があり、この商流構造に対する疑問と常に向き合ってきました。その疑問とは概ね以下のようなものです。 ITスキルの低い元請けエンジニアが耳障りの良い空論で上流工程を担う(手戻り不可避) 上層は高い利益率を維持し、下層は利益の確保が困難(結果、下層は自分ファーストになりがち) 工程/スコープを一応区切るため、境界線上のテーマは無益な対立点となる(Waterfall型との親和性は高い) クライアント含め上層にナレッジが蓄積しないため、ベンダーロックインが発生 これらをシンプルな一言で表現するとしたら、それは「無駄」という言葉がよく当てはまるのではないでしょうか?2021年にメガバンクのシステム障害が立て続けに発生したことは記憶に新しいところです。クライアントが一次請け企業に原因を問い、一次請けは二次請けに、二次請けは三次請けにと、障害の原因も責任の所在もわからないまま迷走し、「それはウチのスコープじゃない」などと言ってなすりつけ合っている姿が目に浮かびます。 DX白書2023によると、現在、日本企業の8割以上がレガシーシステムを保有しているとのことです。保有しているだけで、レガシーへの依存率は間違いなく低減しているはずですが、実態はわかりません。このレガシー排除に拍車をかけるのが、クラウドとアジャイルに他なりません。AWSなりGCPなりを自社で運用すればいいわけですから、そもそもITに関して何かを外注する機会は減っていきます。レガシーが無くなれば、いわゆるITゼネコン=SIerに対して無駄な支出を増やしたあげく、ベンダーロックインに悩む必要などありませんから、いよいよ訣別の時は近づくことでしょう。 上述のことは、エンジニアという職種が無くなることを示唆しているのではなく、自社エンジニアによる自社運用という形態にシフトすることを意味しますので、現時点でレガシーシステムやゼネコン頼みになっているエンジニア各位は、今のうちにユーザー企業もしくは優位性のある自社プロダクトを保有する...

「ミスを許容しない」というミス

こんにちは。みなさんは日本と海外の時価総額トップ10に入っている企業の顔ぶれを見比べてみたことはありますでしょうか?海外は直近25年以内に誕生した企業が上位を占めておりますが、なぜ日本では依然として"おじいちゃん企業"が元気なのかをいつも疑問に思っておりました。 減点方式=ミスを許容しない 幼少の頃より、我々に自然と刷り込まれている一つの価値観、それは「ミスは悪いこと」です。 赤点を取ると補習 成績が悪いと留年 試合でミスしたら2軍に降格 授業中に指されて答えられなければバカだと思われる みなさん少なからず上記に近いことを学校教育の場で経験していると思われます。つまり、私たちはミスをしてはいけないというマインドを幼少期から植え付けられて育ったがために、社会人になってもまるで呼吸をするかのように自然とミスを恐れています。 もちろん仕事や日常生活でのミスは顧客や身内からの信頼を大きく失墜させることもあり、ミスしないに越したことはありませんが、過剰にミスを恐れることで何か新しい一歩を踏み出す際の大きな足枷となってはいないでしょうか? 私は、日本から時代を牽引するようなスタートアップが生まれないのは、ミスに怯える日本人の中に、革新的なビジネスを成立させるためにチャレンジ&エラーを繰り返すような起業家精神など宿るわけがないからだと考えております。もっと言いましょう。所詮、私たちが受けてきた教育というのは、回答のある世界で公式やルール、テクニックに当てはめてさえいれば回答に到達することができ、そのミスをしない訓練をしてきただけなのです。 根本原因は学校教育にある これが結論です。では明るい未来が無いのかというと、そうではありません。物事の考え方や価値観といったものは、変えることができるからです。私自身、クリエイティブな仕事を通じてトライ&エラーを繰り返す中で、多くのケイパビリティ/マインドセットを獲得し、イノベーションに対するある種の使命感のようなものも同時に芽生えております。 I.G